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産後すぐのママのからだ

妊娠・出産によるからだのダメージを知って、
回復のためのポイントを覚えておこう

このページでわかること
目安時間:12分
  • 妊娠・出産によるからだのダメージ
  • 帝王切開分娩との向き合い方
  • 妊娠前の状態へ戻るまでの変化と回復にかかる時間
  • 回復に必要な休息・栄養について

妊娠・出産によるからだのダメージ

出産後、ママのからだは危機的状態!産後のママは大きな変化を経験します。まずは、ママに訪れる変化を理解しましょう。産後からだは6〜8週間かけてゆっくりと、妊娠前の状態に戻っていきます。
「産後の床上げは21日目」とされていたように、特に産後早期はママのからだの回復には休息が第一優先です。パパをはじめママの周りのご家族もママのからだの変化や休息の必要性を理解しておくことが大切です。

いたた・・・ママイラスト
  • 出産による体力の消耗・筋肉疲労
  • 会陰部ほか産道の損傷
  • 子宮復古による後陣痛
  • 骨盤を緩ませるホルモンの放出による
    腰痛など骨盤の不安定感
にっこりコラムアイコン

帝王切開をしたママのからだ

近年、4〜5人に1人のママが帝王切開分娩で赤ちゃんを出産しています。帝王切開分娩も、りっぱな分娩。産後のからだは早く傷を癒そうとがんばっています。おなかの傷が痛む時には横になって、ゆっくりからだを労わってあげてください。場合によっては鎮痛薬を使うのもよいでしょう。

助産師さんイラスト

また、帝王切開分娩になる経緯は、さまざま。予期せぬ帝王切開分娩になったママは、「どうして私は帝王切開になったの?」と気持ちが落ち着かないかもしれませんね。そんな時は助産師さんに自分の思っていることを話して気持ちの整理を。話すだけでもこころがぐっと軽くなりますよ。

ママを励ます助産師さんイラスト

産後の急激な子宮の戻り

出産後、ママのからだが激変することのひとつに「子宮復古(しきゅうふっこ)」があります。臨月には胃も圧迫されるほど大きかった子宮は、赤ちゃんと胎盤が外に出て空っぽになり、出産直後から収縮します。この収縮により子宮からの出血が止まります。
ググッと後陣痛がきたり、悪露(おろ)と呼ばれる粘調な血液が出たりして、お産が終わっても6〜8週間はからだを元に戻そうとする子宮の活動が続いていきます。それだけでもからだには負荷がかかるので、ママには自分を最優先に、ゆったり過ごしてもらいたい時期です。

子宮回復の項目
産後の子宮の回復イラスト

目に見えない激変 ホルモンの大変化

妊娠期間中、赤ちゃんが育ちやすい環境にするため、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量がダイナミックに変化します。この2つのホルモンは、出産直前にピークを迎えますが、出産時に胎盤がからだの外に出ることで、急激に低下。それはまるで、エベレストの山から一気に駆け降りるようで、産後は女性のからだは、育児に適したからだへと急速に変化します。
目に見えないからだの内側で、大きな変化が起きていることを知っておくことが大切です。このことをパパや周囲の人たちも知り、サポートの必要性を理解しましょう。

妊娠経過に伴うホルモン分泌量の変化のグラフイラスト

ママの産後のからだを
回復させるために

ポイントアイコン休息のポイント

子宮復古や分娩時にできた傷の治癒、ホルモンの変化など、産後のママのからだには同時にさまざまなことが起こっています。それに加え、昼夜問わず母乳育児や、慣れない赤ちゃんのお世話など、身の回りに初めてのことがたくさん起こり、気も張っている状態なので疲労も溜まって当然。
産後早期は、赤ちゃんが寝ている時にはママも一緒に横になり、赤ちゃんと同じサイクルでしっかりと休息をとり、からだを回復させましょう。

休息するママイラスト

赤ちゃんと同じサイクルで睡眠!

ポイントアイコン栄養のポイント

しっかりと食べることも、からだを回復させるためには必要なこと。おさえておきたいポイントを覚えておくといいですね。

貧血に気を付ける

貧血の解消は重要なポイント。タンパク質・鉄分・緑黄色野菜を意識的に摂取することを心がけましょう。

母乳育児のための食事

母乳育児をしているママは、3食に加え、赤ちゃんの分まで栄養を摂らなければいけません。水分も多めに摂りましょう。

ご飯を食べるママイラスト

便秘の予防

産後は分娩時の傷などの影響もあり、便秘になりやすいもの。食物繊維や水分も多めに摂り、便秘に気を付けましょう。

食事のマネジメント

産後早期は、自分で作ることは難しい時期です。パパでも、ご両親でも、簡単に調理できるミールキットでも。サポート体制を確認して、自分はなるべく手を動かさずに済む方法を整えておきましょう。

にっこりコラムアイコン

ママのからだのイメージの変化

妊娠中、赤ちゃんを守るためにママのからだに皮下脂肪が付いたり、母乳育児の準備のために乳首や乳房が変化したり、ホルモンの影響で顔のソバカスが目立ち始めたり。ママの中には、妊娠・出産を通してさまざまなからだの変化に戸惑っている方もいるでしょう。
新しい命を宿し、守り、生み育てているママこそ、尊く、もっと大切にされるべき存在です。さまざまな変化の結果、生まれてきてくれた赤ちゃんとの生活をまずは楽しみましょう。

からだの変化は赤ちゃんのためイラスト

ゆったりとした気持ちで授乳や育児を楽しんでいると、自然と活動的になり、ママのからだも元に戻っていきます。

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監修した専門家

市川先生

市川 香織先生

東京情報大学 看護学部看護学科 教授

一般社団法人 産前産後ケア推進協会 代表理事

助産師

今、安心して子どもを産み育てることのできる環境や社会のしくみが求められています。親になる世代にとって、妊娠・出産・育児は未知の世界。見通しがきかず不安になることもあるでしょう。2人目・3人目の子育てで、上の子との関係性に悩んだりすることもあるでしょう。

そんなとき、授乳がうまくスタートできると子育てが楽になることを、私たち助産師は多くの経験から確信しています。

その親子にとっての授乳がうまくスタートできるように、親になる人はどんな準備をしたらいいのか、専門家や社会はどんな環境を作っていったらいいのか、みんなで考えていく機会を作っていきたいと思います。