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はじめの一歩!母乳育児の基本(前編)

まずは母乳育児のメリットを知ろう

このページでわかること
目安時間:5分
  • 母乳育児のメリット5つを知る
  • 赤ちゃんが飲む母乳の量が分かる
  • 初乳がなぜ大事なのか
  • 母乳を飲んでいるのに体重が減少する理由

母乳育児のメリットを知ろう

母乳育児って良いって聞くけど、いったい何が良いんだろう?そう思われている方も多いはず。まずは、母乳育児のメリットをご紹介します。

ポイント1赤ちゃんに最適な栄養食

母乳には、赤ちゃんの成長に必要な栄養素がバランスよく、消化しやすい形で含まれています。そのため、「最適な栄養食」と言われています。

ポイント2免疫力をUPさせ、将来の生活習慣病を予防する

母乳には、病気から赤ちゃんを守ってくれる免疫物質が含まれています。特に、産後数日間だけ出る初乳には、免疫物質がたっぷり!母乳で育った赤ちゃんは、急性中耳炎やぜんそく、気管支炎、アトピー性皮膚炎などの発症リスクが減ることもわかっています。

赤ちゃんのイラスト

ポイント3赤ちゃんひとりひとりに合ったオーダーメイド

母乳は、それぞれの赤ちゃんに適した状態に作られます。例えば、早産になったママの母乳は、小さく生まれた赤ちゃんに必要な成分が多く含まれていることはもちろん、少量の母乳でもそれらがしっかり摂れるよう濃縮された状態で出てきます。赤ちゃんのニーズに合わせて、オーダーメイドされます。

ポイント4授乳時の触れ合いで親子のきずなが深まる

赤ちゃんはおっぱいを飲みながら、おっぱいの感触や肌のぬくもり、ママのやさしいまなざしや語りかける声など、五感で愛情を感じます。一方、ママは赤ちゃんの活力や魅力、赤ちゃんが自分を信頼してくれていることを感じます。おっぱいタイムの触れ合いは、親子のきずなを強くする大切な時間です。

ママと赤ちゃんのイラスト

ポイント5産後のママのからだの回復を早める

赤ちゃんがおっぱいを吸うと、ママの脳内ではオキシトシンというホルモンが分泌されます。オキシトシンには子宮の収縮を促す働きもあり、子宮が元に戻るのを助けます。

赤ちゃんが飲む母乳の量

生まれてすぐの赤ちゃんはほんの少ししか母乳を飲まず、心配になることもあるかもしれません。じつは体重が3000gの赤ちゃんの場合、生後24時間までの胃の容量は、たったの5~7mlほど。この量は小さじ1杯ちょっとなので、ごくわずかな量しか入らないことがわかります。さらに、母乳は赤ちゃんにとって消化吸収がよいので、すぐにおなかをすかせることになります。だから新生児期の授乳は頻回になるのです。最初は少しでも、徐々に飲む量が増えていくので心配しなくても大丈夫です。

[新生児の胃の大きさイメージと容量]

さくらんぼのイラスト
生後1日目
さくらんぼ大
5〜7ml
くるみのイラスト
3日目
くるみ大
22〜27ml
アプリコットのイラスト
10日目
アプリコット大
60〜80ml
たまごのイラスト
1ヵ月
たまご大
80〜150ml
にっこりコラムアイコン

「初乳」って、どうして大事なの?

初乳には、赤ちゃんを守るためのさまざまな免疫物質が、特にたくさん含まれていることがわかっています。
初乳は、初めて外の世界に触れる赤ちゃんを守る、とても大切なものなんですね。

初乳の写真

黄色みが強いのも初乳の特徴

しっかり飲んでいても、
体重が減る!?

生後2~3日目までの赤ちゃんは、おっぱいを飲んでいるのに、一時的に体重が減ることがあります。おっぱいを飲む量よりも、おしっこやうんちなど、からだの中から出ていくものが多いからです。これは「生理的体重減少」と呼ばれ、赤ちゃんみんなに起こることです。

体重測定中の赤ちゃんイラスト

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監修した専門家

堀内先生

堀内 勁先生

聖マリアンナ医科大学 小児科学教室 名誉教授

日本周産期精神保健研究会 顧問

小児科医

女性は妊娠・出産・その後の育児を通して母親というアイデンティを自分に取り込んでいきます。女性の特質はこのアイデンティティの獲得が身体変化・身体感覚の中で進行することです。

妊娠中は自分のお腹に意識が集まり、我が子を育みます。出産後はその意識を胸に移動させて、我が子と交流します。赤ちゃんも身体的交流の中で、母親への信頼、自分の今いる世界への安心感を獲得します。親と子が安心して交流できるように支えることが大事だと思います。