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トップ先生イラスト 【専門家解説】知っておいてほしい 妊娠・出産・育児のあれこれ

妊娠中に起こるからだの変化、出産や育児に向けて今からできることって?

こんな方におすすめ
  • 妊娠によるからだや気持ちの変化に戸惑いを感じている方
  • 妊娠期にも楽な姿勢や歩き方のポイントを知りたい方

妊娠中に女性のからだは
ダイナミックに変化

妊娠してから気持ちの変化に戸惑うことはありませんか。「涙もろくなった」「パートナーの言葉にイライラしてケンカが増えた」、また夫からは「妻の様子がこれまでと違う」といった声を聞くことがあります。これは妊娠から産後でママの体内ホルモンが大きく変化するためで、赤ちゃんを迎えるために感覚が鋭く、敏感になります。

なんだか涙が出ちゃうイラスト

また、産後には「これまでやっていたことができなくなってしまった」と戸惑いを持つこともありますが、これも赤ちゃんに全身全霊で感覚が働いているから。赤ちゃんの声に応えていく時期だからできなくて当然なので、心配なさらないでください。

妊娠中のからだと向き合う

むくみやすい妊娠期は、出産に向けてからだの巡りを整えることがとても大切です。「冷えをなくす」「排泄を整える」「睡眠を整える」「食事を気を付ける」といった、からだの中の滞りをできるだけ少なくしましょう。また、誰かに相談する、夫にわかってもらうなど「自分の気持ちを出す」ことも大切になります。

話合うパパママ

長いお産の道のりでは、体力がとても重要です。バランスの良い食事と、よく歩き、早めに寝ることを心がけましょう。事前のからだづくりが、安産や、産後の体力温存と母乳分泌にもつながります。

出産の際、赤ちゃんは骨盤の中、産道を旋回(せんかい)して産まれてきます。ママの姿勢が正しいと、赤ちゃんも正しい位置に収まるので、立ち方や歩き方といった「姿勢」も実は大切になります。

チェックボックス立ち方のポイントは「まっすぐ立てているか」「左右均等に荷物を持っているか」

妊娠しておなかが大きくなってくると、腹部の筋肉が伸びて、背中側にのけ反ったり、前かがみになりがちです。またバッグを持つ時に癖で同じ肩側ばかりにかけることで、左右のバランスが崩れることも。

立ち方画像

チェックボックス座り方のポイントは「できれば横座りはせず、あぐらを組んでからだを真っすぐに」「おしりの下にクッションを敷くのも◎」

骨盤がゆがみやすい横座りは避けるようにしましょう。

座り方画像

チェックボックススクワットのポイントは「腰を落とす時におしりを突き出す」「頭は前に出さないように」「かかとはつけたまま」

腹筋がなくて姿勢を保つのが難しい場合は、スクワットをしましょう。だんだん慣れてくると、内股の筋肉がついて回数もできるようになります。最初は数回からで大丈夫!

スクワット画像

チェックボックス骨盤周辺を柔らかくしておくことで、出産時に赤ちゃんが産道をスムーズに通過するようになる

腰に手をあてて、前後・左右へ動かし、時計回り・反時計回りに回しましょう。

腰回し画像

内股の筋肉を鍛え、同時に骨盤周辺も柔らかくする動きもあります。足を肩幅に広げて、かかとをつけたまま腰を深く落とした状態になり、上下に浅くゆらゆら。ひとりだと難しい場合は、パートナーに支えてもらいながらでもOK。

内股筋を鍛えて骨盤周辺を柔らかくする動き

チェックボックス歩き方のポイントは「かかとから指先までを地面にしっかりつける」「地面を蹴る時は、ふくらはぎを伸ばす」

普段の歩き方から意識するとよいでしょう。ふくらはぎのむくみやすいところも一緒に運動ができます。

歩き方画像

自分のからだに不安があると、お産の不安に向き合う難しさがあると思います。自分が何かに取り組むことで自信はついていくので、少しずつ毎日できることから取り組んでみましょう。日々の積み重ねを通してできた自信が、出産を楽しみに感じていく方向へとつながっていきますよ。

自分のおっぱいについて知ろう

まずは自分のお胸に注目してみましょう。赤ちゃん一人ひとりに個性があるように、ママのおっぱいも、乳頭のかたちや母乳分泌量などで個性があります

ママ?のイラスト

授乳はトライ&エラーの繰り返し。はじめは誰もが戸惑うものです。ママのおっぱいも赤ちゃんにも個性があるから、道のりもみんな違って当たり前。周囲と比べず、うまくいかない・悩みがある時は専門家に診てもらい相談しながらじっくり取り組むことが大切です。

受援力、知っていますか?

人から手助けを受ける力を「受援力(じゅえんりょく)」といいます。実は子育ては「誰かに相談する」「周りの力を上手に借りて進める」ことがポイント。力を借りることを申し訳なく思うのではなく、人へのちに返していくようにしましょう。次の困っているママなどを手助けし、自分がしてもらって嬉しかったことをすることで、お互いに循環し、社会が成り立っていきます。悩まずに周りの力を借りてくださいね。

周りの力を借りるイラスト

心配なことは必ず相談しましょう

心配なことをなんでも相談できる場所を用意しておくことも、育児を上手に乗り越えるための秘訣になります。おすすめは、子育て・母乳・夫婦の問題‥なんでも相談ができ、ママのおっぱいを診ることができる専門家の「助産師」です。地域に相談できる助産師がいるか、妊娠中に確認しておくとよいでしょう。

助産師さんとママイラスト

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監修した専門家

宮下先生

宮下 美代子先生

みやした助産院 院長

NPO法人WooMoo 理事長

助産師

産まれた後に、授乳のことや赤ちゃんが泣くことに対して戸惑っている母親が多いのが現状です。そのような状況に置かれている母親が孤立して自分だけが取り残されたような気持ちにならないよう、見守り支えることが大切だと思います。

親たちは、自分が体験した様々な思いを理解してくれる人がいたり、話を聴いてくれたり、励ましてくれる人がいてくれることで前に進むことができます。そして、周囲の人に励まされて子育てしてきた母親は、自分と同じように悩んでいる母親の理解者となり良き支援者となっていくことができるようになっていくと思いますので、授乳期の母親の良き伴走者になりたいと思っています。